专利摘要:
液晶表示システムを製造するための感圧接着性平面要素であって、平面要素の層が以下の順序、すなわち第1の接着層(11)、支持体(12)、金属化層(13)、黒色化層(14)、第2の接着層(15)の順序になっており、黒色化層(14)が、室温で感圧接着性でない黒い着色塗料および/またはプライマを備えた層であり、第1の接着層(11)がその厚さ全体にわたって白く半透明に着色されている感圧接着性平面要素が記載されている。さらに、液晶表示システムを製造および/または接着するためのこのような平面要素の使用であって、第2の接着剤(15)が液晶表示要素の表面に接着される、平面要素の使用、ならびに液晶表示要素(1)と、保護要素と、フレーム要素とを備えた液晶表示システムであって、前記要素の少なくとも2つが、上述の平面要素を介して結合されている液晶表示システムが記載されている。
公开号:JP2011507046A
申请号:JP2010538604
申请日:2008-12-12
公开日:2011-03-03
发明作者:シュトルベック・ラインハルト;フーゼマン・マルク
申请人:テーザ・ソシエタス・ヨーロピア;
IPC主号:G02F1-1335
专利说明:

[0001] 本発明は、層の順序が、第1の接着層、支持体、金属化層、黒色化層、第2の接着層の順序であり、黒色化層が、室温では感圧接着性でない黒い着色塗料および/またはプライマを有する層である、液晶表示システムを製造するための感圧接着性平面要素、ならびに液晶表示システムに関する。]
背景技術

[0002] 電子機器内の個々のコンポーネントを正確な位置に貼り付けるために、現在では感圧性接着テープが使用されている。これは、様々なコンポーネントが相互に貼り付けられる液晶表示システム、例えば破片飛散防止部としてのディスクおよびハウジングを備える液晶表示ユニット(いわゆるLCDパネル)の場合にも当てはまる。]
[0003] 例えばブラウン管(CRT)または発光ダイオード(LED)を基礎とする表示システムのような自己発光性表示システムとは違い、液晶表示ユニットは別個の照明を必要とする。最も単純な場合、液晶表示システムは反射によって駆動され、つまりこの液晶表示システムは独自の照明ユニットを備える必要がなく、単に外からの入射光を反射するだけである。ただしこのようなシステムは明るい環境においてしか使用できない。すなわち汎用可能な液晶表示システムは、独自の照明ユニット、いわゆる「バックライト」を必要とする。このような照明ユニットにより、液晶表示ユニットは、後ろ側から透過光駆動で照明される。]
[0004] 通常の液晶表示システムでは、照明ユニットの光源としてしばしば白色の放射特性を有する発光ダイオードシステムが用いられる。構造深さが浅い表示システムを実現するために、発光ダイオードは液晶表示ユニットのすぐ後ろに配置されるのではなく、表示ユニットの後ろの一平面内で表示ユニットに対して横にずらして設置される。このような構成では、放出光は照明ユニットの導光体を介して液晶表示ユニットに導かれる。]
[0005] 表示コントラストをできるだけ高くするには、光が液晶表示ユニットの表示面だけを通って観察者に達し得ることが保証されるべきである。このため、通常は表示面の外縁が、フレーム状で非透光性の境界画定要素によってカバーされており、この境界画定要素は、発光ダイオードから放出された光が表示ユニットの傍を通過して観察者に到達する可能性があり、観察者によって目障りな明るい光点の形で知覚されることを防止する。]
[0006] 境界画定要素の裏側における非透光性の構成に加えて、境界画定要素の表側はできるだけ低い光反射性を示すべきである。このようにすれば、境界画定要素の表側での目障りな光反射が回避される。この目障りな光反射は、例えば外部の光源によって発生する可能性があり、あるいは表示面を通り抜ける光がハウジング内側で望ましくない反射をする際に発生する可能性もあり、これは特に垂線から大きく外れた観察角度で目障りになる。]
[0007] 実用的理由から、このような境界画定要素は、有色領域として両面接着テープ中に組み込むことが有意義である。この接着テープを用いて、液晶表示ユニットの表面を例えば照明ユニット、保護ディスク、または電子機器のハウジングと結合する。接着要素と境界画定要素を組み合わせて使用することにより、表示システム全体の構造深さを浅くすることができる。]
[0008] 照明ユニットからの光に対するできるだけ高い吸収性および周囲光に対するできるだけ低い反射性を得るために、境界画定要素にはとりわけ黒い着色、特にマットブラックの着色を使用するのが有利であることが分かった。液晶表示ユニットの貼り付けに関し、このような黒色化された部分領域を有する両面接着テープの多数の異なる実現形態が知られている。]
[0009] 例えば電子産業では、ポリエステルフィルムから成る支持体、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)から成る支持体を備えた両面感圧性接着テープを用いることが好ましい。なぜならこのような構造の感圧性接着テープは、非常にうまく型抜きできるからである。このようなポリエステル支持体は、例えばカーボンブラックまたは他の黒い着色顔料のような着色粒子によって着色されている。ただしこのような感圧性接着テープの支持体は、任意に厚く形成することはできない。なぜなら、厚くすると、接着テープの柔軟性が低下するという欠点が生じるからである。つまり、着色粒子の量が比較的多いと比較的厚い支持フィルムが必要となるが、そうすると接着テープの柔軟性が損なわれるので、全体として支持体層中に組み込むことができる着色粒子の最大量は制限されている。したがってこのような感圧性接着テープは、光を完全に吸収するのではなく、光の僅かな部分を透過させる。これは特に強力な光源の場合、すなわち光度が600Cd超の光源の場合に障害となる。]
[0010] 比較的高い光吸収性は、2層の支持体を含む感圧性接着テープ系によって達成することができる(以下では、可視スペクトル領域の光に対する吸収および透過を表すために、短縮して吸収および透過という用語を使用する)。2層の支持体は、通常は共押出成形の枠内で製造され、この共押出成形では、所望の機械的安定性を達成するための本来の支持体材料と、光吸収を達成するための黒色化された材料とが同時に押出成形され、こうして2層の支持体が生成される。ただしこのような共押出成形の場合、押出成形される材料の相互の貼り付きを阻止する添加剤(いわゆる「ブロッキング防止剤」)を使用する必要がある。しかし、この添加剤はその付着性低下作用により、着色された層中に孔、いわゆる「ピンホール」を生じさせる可能性がある。光はこの孔を通り抜けられるので、この孔は光学的欠陥位置として働き、つまりこの系も面全体での吸収を提供しない。]
[0011] 加えて、このような共押出成形された支持体の場合、両方の層が、最初は別々に押出機のノズルヘッド内で形を整えられ、その後で初めて結合されることが問題である。つまり、それぞれの層が、接着テープの所望の機械的安定性の保証または光の完全な吸収のためにそれ自体である程度の強度を有さなければならない。それゆえ共押出成形では、比較的厚い二重支持体しか実現することができず、したがってこの接着テープは最終的には柔軟性が低く、それゆえ相互に貼り付けるべき面の表面形状にうまく適合できない。この二重支持体のさらなる欠点は、それぞれ使用した接着剤が、共押出成形された支持体の異なる表面に異なる強さで付着することであり、したがって一般的にこの両面接着テープは、機械的負荷にあまり耐えられない望ましくない弱い個所、詳しくは支持体と接着剤の間の結合面を有している。なぜならこの結合面では、支持体上での接着剤の定着が比較的悪いからである。]
[0012] 外からの入射光を完全に吸収可能な感圧性接着テープのためのさらなる一構造では、支持体の一方の面または両方の面に、黒い着色塗料層が塗布されている。この系は、上述の両方の系の利点および欠点を共に備えている。つまりこの場合、一方では、フィルムの押出成形中のブロッキング防止剤の使用によって生成される孔が、黒色化部に生じやすい(「ピンホール」)。他方では、接着テープの機械的特性を全体として不利に変化させないために比較的薄い塗料層しか塗布できないので、一般的に光吸収は完全でない。したがってこの方法によっても、面全体での完全な光吸収を保証することはできない。]
[0013] これに加え、さらに液晶表示の全般的な技術発展に配慮しなければならない。すなわち、より大きな表示面およびより高い解像度に対する需要が増しており、その際、表示システム自体をより軽く、より平面的にすべきである。このことは、このような表示システムの技術的形態に関して大きな変化をもたらす。つまり光源と液晶表示ユニットの間隔をより小さくする必要がある。しかしまた、これにより、より多くの光が遮蔽領域内に入射する。この光は遮蔽部を通り抜けて機器から出て行く可能性がある。これを阻止するために、より吸収性の高い接着テープが必要である。加えてこの接着テープは、表示システムの寸法が比較的大きいので、より高い機械的安定性を有していなければならない。]
[0014] さらに、全体的な光損失を最小にするには、したがって表示コントラストを上昇させるには、接着テープの、照明ユニットの方に向いている側が、高反射性に形成されていると有意義である。この高反射性コーティングの場合も、支持体層の一般に使用されるブロッキング防止剤が、高反射性コーティング内で孔を生じさせ、その結果、反射画像における不均質性が生じるという問題が起きる。]
[0015] 現在の表示システムでは、高反射性コーティングには2つの異なる形態が見られる。すなわち接着テープのその面は、白い着色を有することができ、あるいは金属反射性に形成することができる。どちらの系も利点と欠点を有している。]
[0016] 白い着色を使用する場合、白い有色層内では入射光が拡散的に散乱する。このような白い有色層は、接着テープにおいてプロセス技術的に簡単に実現できるという利点がある。すなわち白い有色層は、例えば支持体の一方の面における追加の白色塗料層であってよい。ただし、対応する着色粒子の添加によって接着層を白く着色すれば、接着層自体を白い有色層として用いることもできる。]
[0017] 有色層が白い着色顔料だけを含む限り、吸収プロセスが生じず、白色層によって散乱される光の強度は入射光の強度に相当する。ただし散乱の程度は散乱光の波長に依存するので、白色光中の比較的短い波長を有する部分(例えば青色光)は、比較的長い波長の部分(例えば赤色光)よりも強く散乱される。レイリー散乱として知られるこの効果は、光の青色部分をより強く散乱させるので、特定の視角では、白色光が散乱された場合に薄く黄色味がかかる。このことから、反射光の色強度の局所的な相違が生じ、したがって反射画像における色の不均質性も発生する。]
[0018] 金属反射性の層は入射光を直接反射するという利点を提供し、この直接反射では、散乱光の視角に依存した分散が生じない。ただしこのような系は屈曲に対する耐性がない。このような接着テープの貯蔵、輸送、加工、位置決め、または貼り付けの過程において屈曲がすぐに生じやすく、反射画像における不均質な輝度分布を生じさせる。]
[0019] 一方の面が高反射性に形成され、もう一方の面が非透光性に形成された両面接着テープを備えた液晶表示システムの一例が、図1に概略的に示されている。] 図1
[0020] 光源4から出る光ビーム5は、導光体7内で向きを変えられ、液晶表示ユニット1を通り抜け、最後に電子機器のハウジング9から出て観察者に達する。光源4の光収率を上げるために、ハウジング9の後ろ側の内壁に反射フィルム8が接着層6によって固定されている。]
[0021] 照明ユニットの導光体7は、両面接着テープを介して液晶表示ユニット1と結合されている。この両面接着テープは、裏側に金属反射性層2を備える黒く着色された非透光性の支持フィルム10から成り、この支持フィルム10は、両方の接着層3を介して導光体7の表側および液晶表示ユニット1の裏側に貼り付けられている。]
[0022] 両面接着テープは、フレーム状のダイカットとして形成されており、このダイカットは、黒い着色および金属的構成により、液晶表示ユニット1の面全体を、露出領域Bと遮蔽領域Aに区分しており、すなわち境界画定要素として働いている。]
[0023] 表示機構の貼り付けに関する文献には、着色および/または金属化された接着テープに関する幾つかの実施形態が記載されている。特開第2002−350612号(特許文献1)は、液晶表示システムのための反射性の両面接着テープを開示している。この接着テープは、片面または両面が金属被膜でコーティングされた支持体を含んでおり、その際、これに加えて支持体をさらに着色することができる。しかしこのような接着テープは反射特性しか有しておらず、したがって光を面全体で完全に吸収すると同時に非反射性である面は実現されていない。]
[0024] 国際公開第2006/058910号(特許文献2)および国際公開第2006/058911号(特許文献3)からは、片面が金属層で覆われた支持体から成る両面接着テープの使用が知られている。この金属層上には黒く着色された感圧性接着剤層が配置されており、かつこの支持体は、黒い感圧性接着剤層に接して透明な感圧性接着剤層を備えている。この接着テープは、支持体のうち金属的にコーティングされていない側に、さらなる感圧性接着剤層を備えている。国際公開第2006/058910号(特許文献2)に記載の系では、この接着剤は白色であり、これに対し国際公開第2006/058911号(特許文献3)に記載の系では、この接着剤は透明であり、支持体が白色である。]
[0025] さらに国際公開第2006/133745号(特許文献4)からは、片面が金属層で覆われた透明な支持体から成る両面接着テープの使用が知られている。この金属層上には黒く着色された感圧性接着剤層が配置されており、この黒く着色された感圧性接着剤層に接して透明な感圧性接着剤層が配置されている。この接着テープは、支持体の、金属コーティングされていない側に、白色の感圧性接着剤層を有しており、この白色の感圧性接着剤層にも同様に、これに接して透明な感圧性接着剤層が配置されている。]
[0026] 上に示した強度分布に関する問題に加え、光路において透明接着層の後ろに高反射性層が配置されている接着テープでは、平行反射光に基づく光損失がある。]
[0027] 光が外から接着剤内に平面的に入る場合、つまり垂線から大きく外れた小さな入射角で入る場合には、平行反射光が生じる。一般的にそうであるように、接着剤が、光が出射してくる導光体よりも低い屈折率を有する場合、接着剤内に移行する際に、垂線から離れる光の屈折が起こり、これにより光は、導光体から出たときの角度よりも小さな角度で接着層内に入射する。したがって金属反射性層で反射された光も、接着剤内に入射したときよりも小さい角度で、接着剤と導光体の間の境界面に当たる。]
[0028] もともと入射角が小さかったので、角度のさらなる減少により、この角度が全反射の臨界角より小さくなることがあり、したがって光は境界面で反射される。つまりこの反射光は接着層から二度と出ることができず、両方の境界面の間で平行反射光として層の主要広がり方向とは平行に反射される。この平行反射光は、もはや接着剤と導光体の間の境界面を通って平面要素から出ることができず、接着層の端面からしか出られないので、全体として、表示機構の光収率が低減する。]
[0029] 特開第2002−350612号
国際公開第2006/058910号
国際公開第2006/058911号
国際公開第2006/133745号
国際公開第98/01478号
米国特許第4,581,429号
国際公開第98/13392号
欧州特許出願公開第735052号
国際公開第96/24620号
国際公開第98/44008号
独国特許出願公開第19949352号
欧州特許出願公開第824110号
欧州特許出願公開第0824111号
欧州特許出願公開第826698号
欧州特許出願公開第841346号
欧州特許出願公開第850957号
米国特許第5,945,491号
米国特許第5,854,364号
米国特許第5,789,487号]
先行技術

[0030] Donatas Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand, New York 1989)
Fouassier、「Photoinitiation, Photopolymerization and Photocuring: Fundamentals and Applications」(Hanser-Verlag, Munchen 1995)
Carroyら、「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings, Inks and Paints」(Oldring (Hrsg.), 1994, SITA, London)
T. G. Fox、Bull. Am. Phys. Soc. 1 (1956) 123
Houben=Weyl、「Methoden der Organischen Chemie」(Vol. E 19a、60〜147ページ)
Macromolecules、1995、28、7886
Skelhorne、「Electron Beam Processing」
「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings, Inks and Paints」、Vol. 1、1991、SITA、London]
発明が解決しようとする課題

[0031] したがって本発明の課題は、非反射性であると同時に光を面全体で吸収する面と、高反射性の面とを備えており、平面要素の加工性および貼付性を全体的に低下させずに上述の欠点を排除し、特に全体として高強度での反射光の均質な強度分布を有しており、両面で貼り付け可能である、平面要素を提供することであった。]
課題を解決するための手段

[0032] この課題は、本発明によれば、第1の接着層がその厚さ全体にわたって白色顔料を少なくとも2重量%〜多くとも10重量%の範囲、好ましくは少なくとも4重量%〜多くとも8重量%の範囲の質量分率で有している、冒頭に挙げた種類の平面要素によって解決される。このような接着剤は、完全に透明でもなく、完全に白色でもなく、弱く光を通す白色に形成されている。]
[0033] 両方の反射系、すなわち金属反射性の金属化層と白い半透明の接着層との組合せを使用することにより、それぞれ一方の反射系の利点が、それぞれもう一方の反射系の欠点を埋め合わせるように用いられ、したがってこの相乗的な相互作用により、視角に依存しない均質な強度分布を有する、高反射性コーティングが得られる。]
[0034] 白色の接着層(つまり、中に含まれる白い着色粒子により、実際の層厚では入射光の1%未満しか透過しない接着層)に比べ、白い半透明の接着層の使用は、波長に依存した散乱プロセスがあまり生じず、したがって視角が小さい場合でも、散乱プロセスに基づく(特に黄色の色合いの)色ひずみの発生が明らかに少なくなるという利点を提供する。]
[0035] さらに、透明な接着剤に比べ、白い半透明の接着層の使用は、入射光が接着剤を通り抜け、金属化層で波長に依存せずに反射され、再び平面要素から出射するという利点を提供する。この光は、僅かに濁った接着層内では少しだけ散乱され、これにより、例えば金属化層内の屈曲個所で発生し得る照明強度の局所的な不均質性が埋め合わされる(ディフューザ構成)。]
[0036] これに加え、両方の反射系の組合せは、全体的な反射光における平行反射光の割合を減少させるので、全体的に達成可能な光収率を上昇させる。接着剤の弱散乱性の構成により、本発明による平面要素の場合、平行反射光が部分的に散乱中心で拡散偏向され、したがって全反射の角度よりも大きな角度で(も)境界面に当たり、それゆえ接着剤から出ることができ、このため全体として光強度(光収率)を上昇させる。]
[0037] 加えて、平面要素の本発明による構成は、このような白い半透明の接着剤が、紫外光(UV)のスペクトル領域の波長の光によっても、均質に透過され得るという利点を提供する。白い半透明の接着剤が入射UV光の少なくとも一部を透過させることにより、平面要素を製造する際、支持体上に接着剤を塗布した後で、UVによる後架橋において接着剤の粘度を上昇させることができるが、これは白色の接着剤の場合には、とりわけ短波長UV光での特に大きな散乱のゆえ、接着剤のボリューム全体にわたっては不可能である。]
[0038] しかしながら、有利な効果は、高反射性の面での2つの機能層の組合せから生じるのみならず、強吸収性の系に関する2つの機能層の組合せからも同様に生じる。つまり黒色化層と金属化層の組合せの使用により、平面要素の面全体での完全な吸収が保証される。光学的欠陥位置は、平面要素内で、低い平面密度でランダムに分布している。したがってこれらの層のうち一層における光学的欠陥位置のところでこの層を通り抜ける光は、全体としては平面要素を通り抜けて行くことができない。なぜなら一方の層が孔を有するのと同じ部位に、他方の層も同様に孔を有する確率は低いからである。]
[0039] 加えてこの特殊な構成は、平面要素の、非常に高い光強度が生じる側で、光の大部分が反射され、せいぜい非常に少ない割合しか吸収されないことを保証し、したがって光吸収による黒色化層の有意な加熱が回避される。このような加熱は、熱による貼付性の低下、例えば異なる温度膨張率による平面要素の個々の層間の応力や、黒色化層の軟化または熱分解をもたらすことがある。]
[0040] 黒色化層の使用は、外側の外観を均一にすることができると同時に、反射される周囲光を減少させることができる。それだけでなく、黒色化層を使用するのであって、黒く着色した接着層を使用するわけではないので、周囲光の強度が高い場合に、接着剤が吸収によって有意に加熱され、接着剤の粘度が温度に基づき低下し、それにより、粘着性を失い、そのため貼付強度が全体的に低下することが阻止される。]
[0041] 平面要素が、黒色化層として、カーボンブラック粒子および/またはグラファイト粒子を含む硬化されたポリマーマトリクスを有すると有利である。硬化ポリマーマトリクスの使用により、機械的安定性が高く、その黒色化層が高い光吸収性を有する、平面要素が得られる。特にポリマーマトリクスによって、黒色化層と支持体との間で、同時に黒色化層と接着剤との間でも、負荷に耐え得る結合が実現される。黒色化のために用いられる着色粒子として、少なくとも実質上は炭素から成る特定の粒子を選択することにより、さらなる利点が生じる。すなわちこの粒子は、このような平面要素の製造および使用の際に(例えば溶剤、光、水分、空気などの作用により)発生し得る多くの腐食性プロセスに対して無毒であり高耐久性であるだけでなく、ポリマーマトリクスとも相容性があり、したがって黒色化層自体が高い内部安定性をも有している。]
[0042] 黒色化層が、300nm〜800nmの波長領域において0.5%未満、好ましくは0.1%未満、特に好ましくは0.01%未満の透過率を有すると特に有利である。これにより、光吸収性が特に高い黒色化層が得られる。加えて、黒色化層としてポリマーマトリクス中でカーボンブラック粒子および/またはグラファイト粒子を使用する場合、着色粒子をポリマーマトリクス中に20重量%超の質量分率で存在させることができる。このようにして、そのとき使用されるカーボンブラックおよび/またはグラファイトの粒子サイズおよび吸光係数に依存せず、十分に高い光吸収性が保証される。]
[0043] 支持体は有利にはPETフィルムであってよい。この材料はその優れた加工性および耐久性ならびにその高い透光性(例えば露出領域内に貼り付ける場合)により、特に表示機構に適している。]
[0044] 加えて、支持体の、金属化層と接触している表面が、ブロッキング防止剤を4,000ppm未満、好ましくは500ppm未満の含有率で有することが有利である。このようにして、生じ得る光学的欠陥位置(ピンホール)の発生をさらに少なくできる。なお、PETフィルムの、金属化層と接触している表面が、最高400nmの隆起部を備えた構造化を有する場合、特に価値の高い平面要素が得られる。支持体表面のこの特別な構成により、支持体のこの面では、空間的な構造化だけで材料のブロッキングを効果的に防止するので、ブロッキング防止剤としての添加剤を完全に無くすことができる。]
[0045] さらに、金属化層は、メタリック塗料層および/またはアルミニウムもしくは銀から成る金属層を含むことができる。メタリック塗料層または金属層として構成することにより、従来のプロセス手段を用いて製造可能な高反射性コーティングを得ることができる。この金属化層のための材料としては、特に銀およびアルミニウムが適している。なぜならどちらの材料も高耐久性であり、それだけでなく光スペクトルの可視領域の光を強く反射し、この波長領域内では吸収の有意な波長依存性を示さないからである。この場合、例えばアルミニウムは90%超の反射率を示し、銀は99.5%超であり、全ての金属の中で最大の光反射率を有する。]
[0046] 本発明のさらなる課題は、液晶表示要素、保護要素、およびフレーム要素を備えており、特に均一で強い光度の表示を有する液晶表示システムを提供することにある。これは、これら要素の少なくとも2つを貼り付けるために本発明による平面要素を使用することによって実現することができる。]
[0047] 最後に本発明は、高コントラストの液晶表示システムを安価に製造することを可能にすべきである。これは、第2の接着剤が液晶表示要素の表面に貼り付けられる場合、本発明による平面要素を使用することにより可能になる。したがって第2の接着剤は、液晶表示システムのさらなる一要素、例えば保護要素、フレーム要素、またはハウジング要素に貼り付けられる。]
[0048] すなわち本発明は感圧接着性の平面要素に関する。本願の意味における平面要素として、基本的に平面状の広がりを有する一般的で適切な全ての構造が当てはまる。この構造は、貼り付けを可能にし、かつ様々な形態にすることができ、とりわけ、柔軟にし、接着フィルム、接着テープ、接着ラベル、または成形ダイカットとすることができる。感圧接着性の平面要素とは、小さな押圧力でも貼り付けることができ、かつ残りかすを出さずに接着下地から再び剥がし取ることができる平面要素である。このために平面要素は両面に接着剤を備えており、その際、これらの接着剤は同じであってもよく、また異なっていてもよい。]
[0049] 平面要素はここでは支持体を備えている。ただし本発明による措置は、支持体を備えていない平面要素にも、本発明の概念から逸脱することなく転用することができる。したがって、このような支持体のない平面要素も、本発明においての範囲とみなされる。]
[0050] 本発明による平面要素は、液晶表示システムの製造用に、特に液晶表示要素、保護要素、およびフレーム要素の貼り付けのために用いられる。]
[0051] 液晶表示システムとは、情報の表示に用いられ、そのために表示モジュールとして液晶表示要素を備えている機能的な機構である。その際、表示システムは、機器の副次的な要素であってもよく、また独立した機器として形成されていてもよい。]
[0052] 液晶表示要素とは、表示領域を含む機能的なユニットであり、この表示領域には、特定の情報、例えば測定値、動作状態、記憶もしくは受信されたデータなどが表示される。たいていは表示面として形成される表示領域での表示は、液晶(LCD)の原理に基づいて行われる。]
[0053] 外部の作用から保護するために、表示面は一般的に、破片飛散防止部としての透明な保護要素によって覆われており、さらにはその保護要素と貼り付けられていることも多い。さらにフレーム要素は、液晶表示要素に機械的安定性を付与し、また液晶表示要素を対応するハウジング内に取り付けるためにも役立ち得る。液晶表示要素、保護要素、およびフレーム要素のほかに、本発明による表示システムはさらなるコンポーネント、例えばハウジング要素、ならびに表示機能の調節および制御のための要素を含むことができる。]
[0054] 本発明による平面要素は、個々の層の特定の定義された順序を有している。平面要素は支持体を備えており、この支持体はその一方の面に第1の接着層を備え、第2の面には金属化層を備えている。この金属化層に接して黒色化層が配置されており、この黒色化層に接して第2の接着層が配置されている。ここで、層とは、少なくとも実質上平面状に広がっているあらゆる構成と理解され、この層は、平面要素の主要広がり方向と少なくともほぼ平行に向いている。]
[0055] 平面要素の構造は、ここで述べた層に加えてさらなる構成要素を有することができ、すなわち上述の層に接してまたはその間に、例えば平面要素のそのときどきの要求プロファイルに対応してさらなる機能を提供できるさらなる層を配置することができる。これは、例えば結合剤、下塗剤、伝導性もしくは絶縁性の層、さらなる有色層、保護層などであってよい。ただし本発明においては、平面要素の本発明による作用を保証できるようにするために、層の相対的な順序が、全体として上述の形で維持されることが重要である。]
[0056] さらに、本発明による平面要素が、ここで述べた構造に加え、幾つかの部分領域を有することも可能であり、それらの部分領域には、上記の特定の構造から外れた層構成が与えられており、幾つかの層がないことさえもあり得る。例えば、本発明の平面要素が、表示面の遮蔽領域内でのみ表示要素が保護シートと接着するフレームの形態で構成されるのではなく、表示面全体にわたって表示要素の全面で、すなわち表示要素の遮蔽領域においても露出領域においても保護シートと接着する場合がそうである。このために、接着時に遮蔽領域に配置される部分領域でのみ上述の本発明による構造を有する平面要素を使用することができ、この平面要素は、その一方で、接着時に表示面の露出領域に配置される(実際の表示エリア上の)部分領域では完全に透明に形成され、つまり金属化層も黒色化層も備えておらず、さらに支持体も接着剤も着色されていない。ただしこのような平面要素の場合、本発明に基づく概念に関連して、一般的には表示面の縁部にフレームの形で配置される表示面の遮蔽領域では必ず本発明による構造が実現されることが重要である。]
[0057] 支持体とは、ここでは実質上平面状で、使用する接着剤の機械的支持部として平面要素に機械的安定性を付与するフィルムと理解される。支持体は、当業者に周知の透明なまたは着色されていてもよいあらゆるフィルム材料から、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、またはフッ素化ポリマーのようなポリマーから構成することができる。従来のポリマーフィルムを使用する以外に、例えば1つまたは2つの方向に延伸させることによって製造でき、1つまたは複数の優先方向を有するポリマーフィルム、例えば2軸配向ポリプロピレン(BOPP)を用いることもできる。さらに、優れた型抜き性により、とりわけポリエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリブチレンテレフタレートから成るフィルムが適している。支持体は、ポリマーフィルムをそれぞれ単独で、または組み合わせて、例えば多層にラミネートされたフィルムとして有することができる。]
[0058] 支持フィルムは、製造上の制約により一般的に添加剤を含んでおり、この添加剤は、圧力下および温度下で、平面的なポリマーフィルムが互いに貼り付く(ブロッキング)ことを阻止するべきであり、したがって複数のフィルムシートがブロック状に貼り付くことを阻むべきである。このような添加剤はブロッキング防止剤と呼ばれる。ブロッキング防止剤は、従来は例えば熱可塑性ポリマー中に組み込まれるか、または熱可塑性ポリマー上に塗布され、そこで非付着性の、したがって付着性を低下させるスペーサとして作用する。例えばPETフィルムの製造プロセスには、二酸化ケイ素、ゼオライト、およびケイ質チョーク(Kieselkreide)またはチョークがブロッキング防止剤として使用される。]
[0059] しかし本発明による平面要素には、ブロッキング防止剤を含まない支持体、または含むとしても非常に少ない割合でしか含まない支持体を用いることもできる。それにもかかわらずフィルムシートのブロッキングを阻止できるようにするには、さらなる措置が必要である。例えば、熱によって変形可能な(熱可塑性の)フィルムを、製造直後に、それ自体は熱によって変形可能でない一時的な支持体またはプロセスフィルム上に配設することができ、熱可塑性フィルムをこの一時的な支持体またはプロセスフィルム上で、巻き付け前に冷却することができる。このようにして、冷却プロセス中に2つの熱可塑性フィルム層が互いに直接接触することが阻止される。したがって熱可塑性フィルム材料がブロッキングすることはあり得ない。このような一時的な支持フィルムは、熱可塑性フィルム材料を巻き付ける際に一緒に巻き付けてもよい。]
[0060] フィルムのブロッキングを阻止するさらなる可能な手段は、例えばフィルム表面を片面または両面で構造化することにある。この構造化は、例えばその垂直方向の寸法が数ナノメートルの範囲内になるように、通常は最大で400nmの高さを有するように形成することができる。このナノメートル単位の構造は、通常の成形方法、例えばエンボス加工によって施すことができる。このナノ構造により、支持フィルムの表面に、フィルムのブロッキングを阻止するがフィルムの光学的特性、例えば透明度を低下させない、定められた粗さが狙い通りに得られる。このような構造化は、支持体の面全体に、または局所的に、つまり支持体表面の幾つかの場所だけに設けることができる。ナノ構造化の代わりに、フィルム表面の粗さを狙い通りに高める任意の別の措置を講じてもよい。例えばフィルム支持体の縁部区域に(顕微鏡でしか見えない、または肉眼でも見える)パーフォレーション(perforation)を付けることができる。これにより、パーフォレーションを付けた区域を有する支持体を貯蔵することが可能となり、その際、この支持体はパーフォレーションのおかげでブロッキングしない。支持フィルムを繰り出した後でこの領域を切り離すことができ、したがって最終製品はパーフォレーションを備えていない。]
[0061] 光学的欠陥位置の発生を防止するために、支持体は、支持体に接して吸収性および/または反射性の層がある側では、ブロッキング防止剤をせいぜい非常に少ない含有率でしか含むことができない。今の場合、吸収性および/または反射性の層は例えば金属化層および黒色化層である。したがって支持体はその金属化層と接触している表面では、ブロッキング防止剤を多くとも4,000ppm、有意義には500ppm未満の含有率でしか含むことができず、あるいはそれどころか全くブロッキング防止剤を含んではならない。この面でブロッキング防止剤を無くすことができるようにするために、そうして潜在的な光学的欠陥位置の数を減少させるために、ここでは支持体の表面がナノエンボス加工を有することが好ましい。]
[0062] 通常は支持体として、5μm〜250μmの範囲、好ましくは8μm〜50μmの範囲、あるいはそれどころか僅か12μm〜36μmの範囲の厚さのフィルムが用いられる。接着技術的特性を顧慮すると、非常に薄いPETフィルム、それも最大で12μmの厚さのフィルムが好ましい。この厚さにすると、この平面要素は、貼り付けるべき下地の表面構造および表面粗さに優れて適合し、したがって安定な結合を可能にする、非常に柔軟な平面要素の製造が可能になる。このような支持体により、全体の厚さが例えば約50μmの平面要素を製造することができる。]
[0063] 支持フィルム上での塗料層または金属層の定着を改善するために、フィルムの表面に前処理を施すことができる。これには、原理的には付着性改善のためのあらゆる一般的で適切な方法を使用することができ、例えば、トリクロロ酢酸もしくはトリフルオロ酢酸などによるフィルム表面のエッチング、例えばコロナ処理もしくはプラズマ処理などの枠内での静電気による前処理、または下塗剤、いわゆる「プライマ」、例えばサランを施すことができる。]
[0064] 支持フィルムは透明でよく、あるいは例えばフィルム材料に添加剤として色素または着色顔料を加えることによって着色をもたせてもよい。原理的には、当業者に周知のあらゆる顔料または粒子が適しており、例えば白い着色のためには二酸化チタン粒子もしくは硫酸バリウム粒子が、あるいは黒い着色のためにはカーボンブラックが適している。ただし平面要素の最適な強度を保証するためには、粒子の寸法は支持フィルムの厚さより小さくあるべきである。最適な着色は、フィルム材料の質量に対して5〜40重量%の粒子割合で達成することができる。しかしながら特に上述の非常に薄いPETフィルムの場合、そのような短い光路長において、高い光吸収性を実現するのに十分な量の色素分子または色素顔料をポリエステル内に包埋することは不可能である。高い光吸収性は、薄いPETフィルムが片面または両面に金属化層を備えている場合にだけ達成することができる。]
[0065] ここで金属化層とは、金属光沢があり(つまり入射光を反射し)、同時に支持フィルムの生じ得る非平坦性または表面粗さを補償する層のことである。平面要素の支持体に接して金属化層を使用することにより、平面要素を全体的に透過(通り抜け)しない光の量は減少する。支持体は、片面または両面に金属化層を備えることができる。本発明によれば金属化層は、支持体の、黒色化層も備える側に設けられる。同様の構成では、金属化層が、支持体の、黒色化層とは反対の側にも配置され、またはその側にだけ配置され、したがって金属化層が、白い半透明の接着剤と支持体の間に配置されている。金属化層のこのようにして達成される層厚は、通常は5nm〜200nmの範囲内にある。]
[0066] 金属化層は、あらゆる一般的で適切なやり方で形成することができ、金属化層としてしばしばメタリック塗料または金属層から成る層が使用される。その場合、光の可視領域における波長依存性の反射を回避するために、普通は銀色または白銀色の材料が用いられる。メタリック塗料としては、しばしば銀色の着色顔料または銀粒子と混合したバインダマトリクスが使用される。バインダマトリクスとしては、例えば高い屈折率および高い透明度を有するポリウレタンまたはポリエステルが適している。しかし着色顔料を、ポリアクリレートマトリクスまたはポリメタクリレートマトリクス中で使用することもでき、その場合、塗料として硬化させることができる。このような塗料層は、反射性を高めるために、塗布および硬化の後に研磨することができる。]
[0067] 金属層としては、しばしばフィルム表面に蒸着させた金属が、例えばスパッタリングによって施されたアルミニウムまたは銀などが用いられる。ただしそれにはもちろん、耐食性および反射力の点で適切な他のあらゆる金属も使用可能である。光学的に特に高価値の金属化層を得るべき場合、蒸着の際のプロセス管理は、金属が極めて均質で平坦な層として堆積するように調整すべきである。このような均一な層は、本発明によれば、例えば金属化すべき表面にブロッキング防止剤を全く、またはせいぜい少ししか含まない支持体材料を使用する場合に達成することができる。このために、例えばプラズマによって前処理したPETフィルムに、一作業工程においてアルミニウムを蒸着させることができる。]
[0068] 黒色化層は、室温では感圧接着性でない黒い着色塗料および/または室温では感圧接着性でない黒いプライマを含んでいる。黒色化層とはここでは、下地上に施すことでその下地を黒く見えるようにし、それにより光をほぼ完全にまたは少なくとも大部分は層内に吸収するあらゆる層と理解される。完成した電子機器内で黒色化層は外向きに取り付けられるので、本発明によれば黒色化層は周囲光を吸収するために用いられる。]
[0069] 黒色化層は、本発明によれば金属化層上に塗布され、したがって金属化層を第2の接着剤と結合する。ただし、これに対し、黒色化層が支持体上に直接塗布され、支持体を直接的に第2の接着剤と結合する構成も等価である。黒色化層は単層として構成されていてもよく、あるいは複数の個々の層を有していてもよい。典型的には、このような黒色化層の厚さは1〜25μmである。]
[0070] したがってこのような黒色化層を使用する場合、両面で貼り付け可能な平面要素の透過率は、300nm〜800nmの間の波長領域において0.5%未満、好ましくは0.1%未満、特に好ましくは0.01%未満であるべきである。つまり平面要素の吸収特性はまず第一に黒色化層によって決まるので、黒色化層は相応の透過率を有するべきである。]
[0071] 黒色化層は通常、色を帯びた少なくとも1つの塗料層または下塗層、いわゆる「プライマ」である。黒い塗料層は、塗料マトリクスとして硬化性バインダマトリクスを有しており、このバインダマトリクスは、例えば熱硬化性または放射線硬化性の系でよく、この系中に黒い着色顔料が混入されている。通常の塗料マトリクスは、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、またはポリメタクリレートである。塗料マトリクスは、それぞれの塗料の要求プロファイルに対応してさらなる添加剤を含むことができる。本発明によれば着色塗料として、制限なくあらゆる適切な着色塗料を使用することができる。]
[0072] 着色塗料の代わりに、黒色化層が、支持フィルム上での接着剤の付着性向上に役立つ黒く着色されたプライマであってもよい。任意選択で、さらに、下塗剤の働きをする着色塗料を使用することもできる。これによって、それ自体は感圧接着性でなく、したがって接着剤としては役立ち得ない黒色化層を使用することにより、平面要素への接着剤の定着を全体として改善させることができる。]
[0073] 黒色化層、つまり着色塗料またはプライマは、色を帯びた粒子として黒い着色顔料を含んでおり、有利には、これはカーボンブラック粒子またはグラファイト粒子である。黒色化層が、できるだけ低い光透過率を達成するために、このような色を帯びた粒子を20重量%超の含有率で有する場合、それによりさらに平面要素の主要方向と平行な導電性が生じることがあり、特にカーボンブラックまたはグラファイトを使用する場合にはそうである。このようにして、静電防止特性を有する平面要素が得られ、この平面要素は、静電帯電に基づく電子部品または液晶性スイッチングセルにおける電圧破壊を、したがって電子機器の破損を防止することができる。]
[0074] 本発明によれば、平面要素は第1の接着層および第2の接着層を備えている。第1の接着層は、第1の接着剤を含む層である。第2の接着層は、第2の接着剤を含む層である。その際、第1の接着剤および第2の接着剤の基本構造および基本組成は異なっていてよく、または例外として同一でもよい。]
[0075] 本発明の本質的な特徴として、第1の接着剤はその厚さ全体にわたって、接着剤を白く半透明に着色する着色顔料を有している。これは、接着剤中の白色顔料が、少なくとも2重量%〜多くとも10重量%、好ましくは少なくとも4重量%〜多くとも8重量%の質量分率で存在することにより達成される。特殊な適用例向けには、第1の接着剤が追加のさらなる着色顔料を含むことができるが、ただしこの着色顔料が、第1の接着剤から形成された第1の接着層の半透明の印象を無くしてはならない。第2の接着剤は通常は着色顔料を含んでいないが、特殊な適用例向けには、例えば電子機器に特別な外側の外観を付与するために任意の着色顔料を含むことができる。]
[0076] 第1の接着層は、通常は支持体上に直接塗布される。これに対し、特に支持体の面にそれぞれ1つずつ、2つの金属化層を使用する場合、第1の接着剤が一方の金属化層の表面に塗布される構成が等価である。第2の接着層は黒色化層上に直接塗布される。本発明によれば、第2の接着層を金属化層上に直接、さらには支持体上に直接塗布することは排除される。]
[0077] 第1の接着層および第2の接着層は、通常は5μm〜250μmの範囲の層厚を有している。さらに第1の接着層および第2の接着層は、その層厚の点で同一の構成であってもよく、また異なっていてもよい。]
[0078] 第1および第2の接着剤はそれぞれ感圧性接着剤である。感圧性接着剤とは、比較的弱い押圧で既に付着下地(接着下地または土台)と永続的に貼り付くことができ、かつ使用後、基本的に残りかすを出さずに土台から再び剥がし取ることができる接着剤のことである。接着剤の貼付性は接着剤の付着特性に起因し、再剥離性は接着剤の粘着特性に起因する。本発明によれば、原理的には全ての一般的で適切な感圧性接着剤系が使用可能である。]
[0079] 第1の接着剤として、および第2の接着剤として、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、またはアクリレートをベースとする感圧性接着剤を使用することが好ましい。ただしもちろん当業者に既知の他の全ての感圧性接着剤、例えばDonatas Satasの「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand, New York 1989)(非特許文献1)に詳述されているような感圧性接着剤も使用可能である。]
[0080] 天然ゴム接着剤の場合は、そのときどきに使用される天然ゴムは、細かくして添加することができる。天然ゴムを例えば粉砕することができ、その際、粉砕はせいぜい100,000ダルトンまで、ただし好ましくは500,000ダルトン以上の分子量(重量平均)とすべきである。]
[0081] 接着剤の原料としてゴムまたは合成ゴムを使用する場合は、多数の様々な系を考慮することができる。例えば、天然ゴムまたは合成ゴムまたは天然ゴムおよび/もしくは合成ゴムから成る任意の混合物(ブレンド)を使用することができる。天然ゴムは、原理的には入手可能なあらゆるタイプおよび品質のもの、例えばクレープ型、RSS型、ADS型、TSR型、またはCV型から選択することができ、その際、通常は、必要な純度および粘度に関する接着剤の要求プロファイルに従って選択される。]
[0082] 同様に任意の合成ゴムも使用可能であり、その際、実用的な考慮から、ランダム共重合されたスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(XIIR)、アクリレートゴム(ACM)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、およびポリウレタン(それぞれ単独で、および混合物として)の群からの合成ゴムが特に有利であることが分かっている。]
[0083] このようなゴムの特性を狙い通りに制御するために、ゴムに添加剤を加えることができ、例えば加工性を改善するために熱可塑性エラストマーを加えることができ、その際、熱可塑性エラストマーは、接着剤中で、エラストマー全体に対して約10重量%〜50重量%の重量分率で存在することができる。その単なる具体例として、特に相容性のあるスチレンイソプレンスチレン型(SIS)およびスチレンブタジエンスチレン型(SBS)が挙げられる。]
[0084] しかし、アクリレートベースの感圧性接着剤を使用することが好ましい。このような接着剤は、アクリレート様のモノマーから構成される。アクリレート様のモノマーの群は、非置換または置換のアクリル酸またはメタクリル酸の構造から誘導できる、またはこれらの化合物のエステルから誘導できる構造を有する全ての化合物から成る(これらの選択肢をまとめて、概念「(メタ)アクリレート」と言う)。これらのモノマーは、一般式CH2=C(R')(COOR")で表すことができ、その際、残基R'は水素原子またはメチル基でよく、残基R"は水素原子でよく、または飽和の非分枝もしくは分枝の置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基の群から選択される。]
[0085] これらの感圧性接着剤の(メタ)アクリレートベースのポリマーは、例えばラジカル重合によって入手可能であり、その際、このポリマーはしばしば、アクリレート様のモノマーを50重量%以上の含有率で含んでいる。]
[0086] これらのモノマーは通常、結果として生じるポリマー塊が室温またはより高い温度で感圧性接着剤として使用できるように選択され、その際、このポリマー塊は、Donatas Satasの「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand, New York 1989)(非特許文献1)に対応した感圧接着特性を有している。]
[0087] その際、(メタ)アクリレート感圧性接着剤は、好ましくは、式CH2=C(R')(COOR"')のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルおよび/またはその遊離酸を含むモノマー混合物を重合することによって得ることができ、その際、R'=HまたはCH3であり、R"'はHまたは1〜20個のC原子を有するアルキル鎖である。ポリ(メタ)アクリレートは通常は200,000g/mol超の分子量(モル質量)MWを有する。]
[0088] モノマーとしては例えば、4〜14個のC原子、通常は4〜9個のC原子から成るアルキル基を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを含むアクリルモノマーまたはメタクリルモノマーを使用することができる。特定の例は、この列挙によって制限する意図はないが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、ならびにこれらの分枝異性体、例えばイソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、またはイソオクチルメタクリレートである。]
[0089] その他の使用可能なモノマーは、少なくとも6個のC原子から成る架橋されたシクロアルキルアルコールの単官能性アクリレートまたはメタクリレートである。このシクロアルキルアルコールは、例えばC1〜C6アルキル基、ハロゲン原子、またはシアノ基などで置換されていてもよい。特定の例は、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、および3,5−ジメチルアダマンチルアクリレートである。]
[0090] さらに極性基、例えばカルボキシル残基、スルホン酸残基、ホスホン酸残基、ヒドロキシ残基、ラクタム残基、ラクトン残基、N−置換アミド残基、N−置換アミン残基、カルバメート残基、エポキシ残基、チオール残基、アルコキシ残基、またはシアン残基、ならびにエーテル基またはその類似物を有するモノマーを使用することができる。]
[0091] 適度に塩基性のモノマーとして、例えばN−アルキル一置換または二置換アミド、特にアクリルアミドが適している。特定の例は、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルラクタム、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミドであり、この列挙は網羅的なものではない。]
[0092] モノマーのさらなる例は、架橋に有用な官能基に基づいて選択され、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、無水マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、グリセリジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルメタクリレート、グリセリルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ビニル酢酸、テトラヒドロフルフリルアクリレート、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、トリクロロアクリル酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、ジメチルアクリル酸であり、この列挙は網羅的なものではない。]
[0093] さらにモノマーとしてビニル化合物が考慮され、特にビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、α位に芳香環および芳香複素環を有するビニル化合物が考慮される。ここでも、他にもあるが幾つかの例を挙げるなら、例えば酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、ビニルピリジン、エチルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、およびアクリルニトリルである。]
[0094] その際、コモノマーの組成は、感圧性接着剤が、温度作用下および任意選択の圧力下で初めて感圧接着性になり、かつ貼り付けおよび冷却の後に、固化により付着下地に対する高い接着力を示す、熱活性可能な感圧性接着剤として使用可能であるように選択することもできる。このような系は25℃以上のガラス転移温度TGを有する。]
[0095] モノマーのさらなる例は、共重合可能な二重結合を有する光開始剤であることができ、特にノリッシュI型またはノリッシュII型の光開始剤を含む群、例えばベンゾインアクリレートまたはアクリル化ベンゾフェノン(UCB社からEbecryl P36(登録商標)の名称で販売)から選択される光開始剤である。原理的に、UV光で照射した際にラジカル機構によってポリマー内で架橋を引き起こす、当業者に既知のあらゆる光開始剤を使用することができる。少なくとも1つの二重結合で官能化され得る使用可能な光開始剤についての全般的な概観が、Fouassier、「Photoinitiation, Photopolymerization and Photocuring: Fundamentals and Applications」(Hanser-Verlag, Munchen 1995)(非特許文献2)、および補足的にCarroyら、「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings, Inks and Paints」(Oldring (Hrsg.), 1994, SITA, London)(非特許文献3)で提供されている。]
[0096] さらに、前述のコモノマーに対しさらなるモノマーを付加することができ、このモノマーのホモポリマーは比較的高いガラス転移温度を有する。このような成分としては、芳香族ビニル化合物、例えばスチレンが適しており、その際、芳香族性の部分領域は、好ましくはC4〜C18構成単位から成る芳香核を有し、かつ任意選択でヘテロ原子を含んでいてもよい。これの例は、例えば4−ビニルピリジン、N−ビニルフタルイミド、メチルスチレン、3,4−ジメトキシスチレン、4−ビニル安息香酸、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、t−ブチルフェニルメタクリレート、4−ビフェニルアクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、2−ナフチルアクリレート、2−ナフチルメタクリレート、およびこれらモノマーからの混合物であり、この列挙は網羅的なものではない。]
[0097] 全体的に、接着剤の組成は、出発材料の種類および割合を変更することによって幅広い範囲で変化させることができる。同様に、熱伝導性または導電性などのさらなる生成物特性も、補助物質の添加によって狙い通りに制御することができる。このために接着剤は、さらなる配合成分および/または補助物質、例えば軟化剤(可塑化剤)、充填物質(例えば繊維、中実または中空ガラス球、別の材料から成るマイクロ球、ケイ酸、ケイ酸塩)、核形成剤、導電性材料(例えば非ドープのまたはドープされた共役ポリマーまたは金属塩)、発泡剤、配合剤、および/または老化防止剤(例えば一次または二次酸化防止剤)または光保護剤を含むことができる。このようなさらなる成分、例えば充填物質および軟化剤を接着剤に配合することも従来技術である。]
[0098] 接着剤の具体的な接着技術的特性をそれぞれの用途に適合させるために、感圧性接着剤に、接着力を向上させる樹脂または接着性を付与する樹脂を混合することができる。このような樹脂、いわゆる接着樹脂としては、既知の、文献に記載されたあらゆる接着樹脂を例外なく使用することができる。通常の接着樹脂は、例えばピネン樹脂、インデン樹脂、およびロジン樹脂、それらの不均化された、水素添加された、重合された、およびエステル化された誘導体および塩、脂肪族および芳香族の炭化水素樹脂、テルペン樹脂、およびテルペンフェノール樹脂、ならびにC5、C9、およびその他の炭化水素樹脂である。これらの樹脂およびさらなる樹脂は、結果として生じる接着剤の特性を用途に応じて調整するために、単独で、または任意に組み合わせて使用することができる。一般的には、対応する熱可塑性材料と相溶性のある(可溶性の)全ての樹脂を使用することができ、特に、脂肪族、芳香族、またはアルキル芳香族の炭化水素樹脂、純モノマーをベースとする炭化水素樹脂、水素添加された炭化水素樹脂、官能性炭化水素樹脂、ならびに天然樹脂である。Donatas Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、1989)(非特許文献1)に示された現状知識の記載が明示的に指摘される。]
[0099] これに関し留意すべきは、ポリマーとの相容性が非常によく、基本的に透明である樹脂の使用が有意義なことである。この要件を満たすのは、とりわけ、幾つかの水素添加されたまたは部分的に水素添加された樹脂である。]
[0100] さらに、これに加えて、架橋剤および架橋促進剤を混合することができる。電子線架橋およびUV架橋のための適切な架橋剤は、例えば二官能性もしくは多官能性のアクリレート、二官能性もしくは多官能性のイソシアネート(ブロックされた形のものも)、または二官能性もしくは多官能性のエポキシドである。さらに熱活性化可能な架橋剤、例えばルイス酸、金属キレート、または多官能性イソシアネートを反応混合物に加えることもできる。]
[0101] 任意選択での接着剤架橋のため、接着剤に任意の適切な開始剤および/または架橋剤を加えることができる。したがって接着剤は、例えば紫外光(UV)の照射により後から架橋するために、UV吸収性の光開始剤を含むことができる。適切な光開始剤の例は、ベンゾインエーテル、例えばベンゾインメチルエーテルもしくはベンゾインイソプロピルエーテル、置換アセトフェノン、例えばジメトキシヒドロキシアセトフェノンもしくは2,2−ジエトキシアセトフェノン(Ciba GeigyのIrgacure651(登録商標)として入手可能)、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−1−フェニルエタノン、置換α−ケトール、例えば2−メトキシ−2−ヒドロキシプロピオフェノン、芳香族スルホニルクロリド、例えば2−ナフチルスルホニルクロリド、および光活性オキシム、例えば1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシムである。]
[0102] これら使用可能な光開始剤およびその他のノリッシュI型またはノリッシュII型の開始剤は、置換されていてもよく、任意の適切な残基、例えばベンゾフェノン残基、アセトフェノン残基、ベンジル残基、ベンゾイン残基、ヒドロキシアルキルフェノン残基、フェニルシクロヘキシルケトン残基、アントラキノン残基、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド残基、メチルチオフェニルモルホリンケトン残基、アミノケトン残基、アゾベンゾイン残基、チオキサントン残基、ヘキサアリールビスイミダゾール残基、トリアジン残基、またはフルオレノン残基を有することができ、その際、これらの残基はもちろんそれ自体が置換されていてもよく、例えば1つまたは複数のハロゲン原子、アルキルオキシ基、アミノ基、および/またはヒドロキシ基で置換されていてよい。これについての代表的な概観は、Fouassier、「Photoinitiation, Photopolymerization and Photocuring: Fundamentals and Applications」(Hanser-Verlag, Munchen 1995)(非特許文献2)、および補足的にCarroyら、「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings, Inks and Paints」(Oldring (Hrsg.), 1994, SITA, London)(非特許文献3)に提供されている。]
[0103] 重合用モノマーの選択は、結果として生じる貼り付け可能なポリマーが室温またはより高い温度で感圧性接着剤として(および場合によっては熱活性化可能な接着剤としても)使用できるように、特に結果として生じるベースポリマーがDonatas Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand, New York 1989)(非特許文献1)の意味における感圧接着特性を有するように行われる。なお、ガラス転移温度の狙い通りの制御は、例えば重合の基礎となるモノマー混合物の構成によって制御することができる。]
[0104] 感圧性接着剤のために、TG≦25℃のポリマーのガラス転移温度TGを達成するには、ポリマーのガラス転移温度TGの所望の値が得られるように、例えばFoxによって紹介された等式(T. G. Fox、Bull. Am. Phys. Soc. 1 (1956) 123(非特許文献4)を参照)に類似する以下のような等式(G1)に従ってモノマーの選択およびモノマー混合物の量的組成の選択を行う。]
[0105] ]
[0106] 式中でnは、使用するモノマーの通し番号を表し、Wnは、それぞれのモノマーnの質量分率(単位:重量%)を表し、TG,nは、それぞれのモノマーnから成るホモポリマーのそれぞれのガラス転移温度(単位:K)を表している。]
[0107] ポリ(メタ)アクリレート感圧性接着剤の生成は、このようなポリマーのための通常の合成方法、例えば従来のラジカル重合または制御ラジカル重合で行うことができる。ラジカルによって進行する重合には、重合用のさらなるラジカル開始剤、特に熱によって分解してラジカルを生成するアゾ開始剤またはペルオキソ開始剤を含む開始剤系を使用する。ただし原理的には、アクリレート用の当業者に周知の全ての通常の開始剤が適している。炭素中心ラジカルの生成は、例えばHouben-Weyl、「Methoden der Organischen Chemie」(Vol. E 19a、60〜147ページ)(非特許文献5)に記載されている。この方法は、とりわけ類似のやり方で適用することができる。]
[0108] 適切なラジカル開始剤系のラジカル源の例は、例えばペルオキシド、ヒドロペルオキシド、およびアゾ化合物、例えばペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化ジベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、シクロヘキシルスルホニルアセチルペルオキシド、ジイソプロピルペルカーボネート、t−ブチルペルオクトエート、ベンズピナコール、およびその類似物である。したがって例えばラジカル開始剤として、DuPont社の名称Vazo88(商標)として市場で入手可能な1,1'−アゾ−ビス−(シクロヘキサンカルボン酸ニトリル)を使用することができる。]
[0109] ラジカル重合で生じる感圧性接着剤の数平均分子量Mnは、例えば200,000〜4,000,000g/molの範囲内にあるように選択され、溶融型感圧性接着剤として使用する場合は特に、平均分子量Mnが400,000〜1,400,000g/molの感圧性接着剤が生成される。平均分子量の決定は、サイズ排除クロマトグラフィー(SECまたはGPC)またはマトリクス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)によって行われる。]
[0110] 重合は、無溶媒で、1種もしくは複数の有機溶剤の存在下で、水の存在下で、または有機溶剤と水から成る混合物中で実施することができる。その際、通常は、使用する溶剤量をできるだけ少なく保つべきである。適切な有機溶剤は、例えば純粋なアルカン(例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)、エステル(例えば酢酸エチルエステル、酢酸プロピルエステル、酢酸ブチルエステル、または酢酸ヘキシルエステル)、ハロゲン化炭化水素(例えばクロロベンゼン)、アルカノール(例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル)、およびエーテル(例えばジエチルエーテル、ジブチルエーテル)、ならびにそれらの混合物である。水性重合反応は、反応混合物がモノマーの転化中に均質な相として存在することを保証するために、水と混合可能または親水性の共溶剤を加えることができる。使用可能な共溶剤は、例えば脂肪族アルコール、グリコール、エーテル、グリコールエーテル、ピロリジン、N−アルキルピロリジノン、N−アルキルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、カルボン酸およびその塩、エステル、有機スルフィド、スルホキシド、スルホン、アルコール誘導体、ヒドロキシエーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン、およびその類似物、ならびにそれらの誘導体および混合物から成る群からの共溶剤である。]
[0111] 重合時間は、転化率および温度に応じて2〜72時間とすることができる。反応温度を高く選択できるほど(つまり反応混合物の熱安定性が高いほど)、それだけ反応期間を短くすることができる。]
[0112] さらに、(メタ)アクリレート感圧性接着剤の重合を、溶剤を加えずにバルク重合で実施することができる。これは、通常の方法に従って、例えば予備重合によって行うことができる。その際、重合はUVスペクトル領域の光によって開始され、反応は例えば10〜30%の低い転化率になるまで続けられる。こうして得られた高粘性プレポリマー塊は、その後ポリマーシロップとしてさらに加工することができ、例えば、反応混合物をまずはフィルム内(例えばアイスキューブ用チューブ内)に密閉して貯蔵し、最終的には水中で、高い最終転化率で重合させることができる。]
[0113] こうして得られたペレットは、例えばアクリレート溶融型接着剤(ホットメルト)として使用することができ、その際、得られたポリアクリレート生成物に適合したフィルム材料上で溶融が行われる。]
[0114] さらに、ポリ(メタ)アクリレート感圧性接着剤用のポリマーをリビング重合、例えばアニオン重合で生成することもでき、このために反応媒体として通常は不活性溶剤を使用し、例えば脂肪族および脂環式の炭化水素または芳香族炭化水素を使用する。]
[0115] その際、リビングポリマーは、通常は一般式PL(A)−Meで表され、式中、Meは周期表第I族の金属であり(例えばリチウム、ナトリウム、またはカリウム)、PL(A)はアクリレートモノマーから成る成長するポリマーブロックである。ポリマーの分子量は、モノマー濃度に対する開始剤濃度の比率によって予め設定される。]
[0116] そのための重合開始剤としては、例えばn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、2−ナフチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、またはオクチルリチウムが適しており、この列挙は全てを網羅しているわけではない。さらに、アクリレートを重合させるためのサマリウム錯体をベースとする開始剤が知られており(Macromolecules、1995、28、7886(非特許文献6))、これも使用可能である。]
[0117] さらに二官能性の開始剤、例えば1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ジリチウムブタンまたは1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ジリチウムイソブタンも使用可能である。共開始剤、例えばハロゲン化リチウム、アルカリ金属アルコキシド、またはアルキルアルミニウム化合物も同様に使用することができる。例えばリガンドおよび共開始剤は、アクリレートモノマー、例えばn−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが直接重合でき、ポリマー中で対応するアルコールとのエステル交換によってそれを生成する必要がないように選択することができる。]
[0118] 従来型の重合を開始するには、熱分解性開始剤では熱供給が必須である。このような熱分解性開始剤では、開始剤のタイプに応じて50℃〜160℃に加熱することにより重合を開始することができる。全ての適切な触媒が使用可能である。]
[0119] 分子量分布が特に狭いポリ(メタ)アクリレート感圧性接着剤を得るには、制御ラジカル重合も実施される。その際、重合のために下記の一般式のコントロール試薬を用いることが好ましい。]
[0120] ]
[0121] 式中、R$1とR$2は同じに、またはそれぞれ独立に選択することができ、R$3は、必要に応じて一方または両方の基R$1およびR$2と同一に、または異なるように選択することができる。その際、残基は下記の基の1つから選択するのが有意義である。
− それぞれ直鎖または分枝状のC1〜C18アルキル残基、C3〜C18アルケニル残基、およびC3〜C18アルキニル残基
− C1〜C18アルコキシ残基
− それぞれ少なくとも1つのOH基またはハロゲン原子またはシリルエーテルで置換されたC1〜C18アルキル残基、C3〜C18アルケニル残基、およびC3〜C18アルキニル残基
−炭素鎖中に少なくとも1つのO原子および/またはNR*基を有するC2〜C18ヘテロアルキル残基、ここでR*は任意の残基、特に有機残基である
− それぞれ少なくとも1つのエステル基、アミン基、カルボネート基、シアノ基、イソシアノ基、および/またはエポキシド基で、および/または硫黄で置換されたC1〜C18アルキル残基、C3〜C18アルケニル残基、およびC3〜C18アルキニル残基
− C3〜C12シクロアルキル残基
− C6〜C18アリール残基およびC6〜C18ベンジル残基
− 水素]
[0122] その際、TTCI型のコントロール試薬は、通常は上に列挙したタイプの化合物クラスに由来する。以下にこの化合物クラスについてさらに詳細に述べる。]
[0123] それぞれのハロゲン原子は、塩素および/または臭素であり、および/または場合によってはまたフッ素および/またはヨウ素である。]
[0124] 様々な置換基におけるアルキル残基、アルケニル残基、およびアルキニル残基が、直鎖および/または分枝鎖を有している。]
[0125] 1〜18個の炭素原子を有するアルキル残基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、およびオクタデシルである。]
[0126] 3〜18個の炭素原子を有するアルケニル残基の例は、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−2,4−ペンタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、n−2−オクテニル、n−2−ドデセニル、イソドデセニル、およびオレイルである。]
[0127] 3〜18個の炭素原子を有するアルキニルの例は、プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、n−2−オクチニル、およびn−2−オクタデシニルである。]
[0128] ヒドロキシ置換アルキル残基の例は、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、およびヒドロキシヘキシルである。]
[0129] ハロゲン置換アルキル残基の例は、ジクロロブチル、モノブロムブチル、およびトリクロロヘキシルである。]
[0130] 炭素鎖中に少なくとも1つのO原子を有する通常のC2〜C18ヘテロアルキル残基は、例えば−CH2−CH2−O−CH2−CH3である。]
[0131] C3〜C12シクロアルキル残基としては、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびトリメチルシクロヘキシルが用いられる。]
[0132] C6〜C18アリール残基としては、例えばフェニル、ナフチル、ベンジル、4−tert−ブチルベンジル、または別の置換フェニル、例えばエチル基で、および/またはトルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、ジクロロベンゼン、もしくはブロモトルエンで置換された置換フェニルが用いられる。]
[0133] ここで、上記の列挙は単にそれぞれの化合物クラスの例を提供しているにすぎず、したがって全てを網羅していない。]
[0134] さらなる適切な生成プロセスとして、RAFT重合(可逆的付加開裂連鎖移動重合)の変形形態を指摘しておく。このような重合プロセスは、例えば国際公開第98/01478A1号(特許文献5)に詳細に記載されている。その場合、通常は、できるだけ狭い分子量分布を実現するために、低い転化率までしか重合されない。しかしこの低い転化率により、このポリマーは感圧性接着剤としては使用できず、特にホットメルト感圧性接着剤としては使用できない。なぜなら残留モノマーの高い割合が接着技術的特性に悪影響を及ぼし、残留モノマーが濃縮の際に回収溶剤を汚染し、したがってできあがった自着テープが強い脱ガス挙動を示すからである。低い転化率という欠点を回避するために、重合を複数回開始することもできる。]
[0135] さらなる制御ラジカル重合方法として、ニトロキシド制御重合を実施することができる。その際、ラジカルの安定化には通常のラジカル安定剤を使用することができ、例えば(NIT1)型または(NIT2)型のニトロキシドを使用する。]
[0136] 上式で、R#1、R#2、R#3、R#4、R#5、R#6、R#7、R#8は、それぞれ独立に、以下の原子または基を表すことができる。
i)ハロゲン化物、例えば塩素、臭素、またはヨウ素
ii)1〜20個の炭素原子を有する直鎖、分枝、環式、および複素環式の、飽和、不飽和、または芳香族であってよい炭化水素
iii)エステル−COOR#9、アルコキシド−OR#10、および/またはホスホン酸塩−PO(OR#11)2、この場合、R#9、R#10、および/またはR#11は、上記の群ii)からの残基を表す。]
[0137] 構造(NIT1)または(NIT2)の化合物は、どんな種類のポリマー鎖にも結合することができ(好ましくは、上に挙げた残基の少なくとも1つがこのようなポリマー鎖であるという意味において)、したがってブロックコポリマーを形成する際に、マクロラジカルまたはマクロ調節剤として利用される。]
[0138] 重合用の制御された調節剤として、以下のタイプの化合物も同様に使用可能である。
− 2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシル(PROXYL)、3−カルバモイル−PROXYL、2,2−ジメチル−4,5−シクロヘキシル−PROXYL、3−オキソ−PROXYL、3−ヒドロキシルイミン−PROXYL、3−アミノメチル−PROXYL、3−メトキシ−PROXYL、3−t−ブチル−PROXYL、3,4−ジ−t−ブチル−PROXYL
− 2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシル(TEMPO)、4−ベンゾイルオキシ−TEMPO、4−メトキシ−TEMPO、4−クロロ−TEMPO、4−ヒドロキシ−TEMPO、4−オキソ−TEMPO、4−アミノ−TEMPO、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシル、2,2,6−トリメチル−6−エチル−1−ピペリジニルオキシル
− N−tert−ブチル−1−フェニル−2−メチルプロピルニトロキシド
− N−tert−ブチル−1−(2−ナフチル)−2−メチルプロピルニトロキシド
− N−tert−ブチル−1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロキシド
− N−tert−ブチル−1−ジベンジルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロキシド
− N−(1−フェニル−2−メチルプロピル)−1−ジエチルホスホノ−1−メチルエチルニトロキシド
− ジ−t−ブチルニトロキシド
−ジフェニルニトロキシド
− t−ブチル−t−アミルニトロキシド]
[0139] 代替の手順で接着剤を製造できる一連のさらなる重合方法を、従来技術から選択することができる。]
[0140] 米国特許第4,581,429号(特許文献6)は、制御ラジカル重合方法を開示しており、この方法は、開始剤として一般式R'R"N−O−Yの化合物を使用し、式中、Yは、不飽和モノマーを重合させることのできるフリーラジカル種である。しかしこの反応は、一般的に転化率が低い。特に問題なのは、アクリレートの重合が、非常に低い収率および小さい分子量でしか進行しないことである。国際公開第98/13392号(特許文献7)は、対称的な置換パターンを有する開鎖アルコキシアミン化合物を記載している。欧州特許出願第735052号(特許文献8)は、狭い分子量分布の熱可塑性エラストマーの生成方法を開示している。国際公開第96/24620号(特許文献9)は、特殊なラジカル化合物、例えばイミダゾリジンをベースとするリン含有ニトロキシドを使用する重合方法を記載している。国際公開第98/44008A1号(特許文献10)は、モルホリン、ピペラジノン、およびピペラジンジオンをベースとする特殊なニトロキシルを開示している。独国特許出願公開第19949352号(特許文献11)は、制御ラジカル重合における調節剤としての複素環式アルコキシアミンを記載している。さらに、アルコキシアミンおよび対応する遊離ニトロキシドの対応する発展形態は、ポリアクリレートの製造効率を改善させ得る。]
[0141] さらなる制御重合方法として、「原子移動ラジカル重合」(ATRP)を、コポリマーの合成に使用することができ、その場合、開始剤として、通常は単官能性または二官能性の第二級または第三級ハロゲン化物を使用し、かつ1種または複数のハロゲン化物の引き抜きのために、Cu錯体、Ni錯体、Fe錯体、Pd錯体、Pt錯体、Ru錯体、Os錯体、Rh錯体、Co錯体、Ir錯体、Ag錯体、またはAu錯体を使用する(例えば欧州特許出願第824110号(特許文献12)、欧州特許出願第0824111号(特許文献13)、欧州特許出願第826698号(特許文献14)、欧州特許出願第841346号(特許文献15)、または欧州特許出願第850957号(特許文献16)を参照)。さらにATRPの様々な可能性が、米国特許第5,945,491号(特許文献17)、米国特許第5,854,364号(特許文献18)、および米国特許第5,789,487号(特許文献19)に記載されている。]
[0142] 既に詳述したように、第1の接着剤と第2の接着剤の基本構造は同一でもよく、あるいは異なっていてもよい。これに関し留意すべきは、幾つかのペーストはそれぞれ2つの接着剤の一方に対してしか使用できないことである。すなわち黒い着色顔料として用いられる充填物質、例えばグラファイトまたはカーボンブラックは、第2の接着剤中にしか存在できないが、通常は、第2の接着剤は高透明性に選択される。]
[0143] それだけでなく、本発明によれば、第1の接着剤が白色顔料を有さなければならない。白色顔料は、白い色を帯びた粒子の形で、接着剤のポリマー成分に混合される。白色顔料としては、通常のあらゆる白い顔料を、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、または硫酸バリウムを用いることができる。平均的な添加量の範囲内(例えば10重量%の添加量を超える)で既に、拡散性散乱に加えて高い光強度の正反射が生じる可能性がある。したがって本発明によれば、10重量%未満の添加量を選択すべきである。]
[0144] 感圧性接着剤層を最適に着色するには、白い着色顔料の粒径分布が非常に重要である。平均粒径だけでなく最大粒径も、接着層の全体厚より小さくあるべきである。50nm〜5μm、好ましくは100nm〜3μm、さらには200nm〜1μmだけの範囲の平均粒径の粒子を使用することが有利である。このような粒径は、いわゆるトップダウン方式で、肉眼大の材料をボールミル内で細かくし、続いてふるい分画を施すことで達成することができ、あるいは、いわゆるボトムアップ方式で、溶液中での狙い通りの粒子成長によって、湿式化学的に製造することもできる。]
[0145] こうして得られた着色の品質は、さらに感圧性接着剤中での着色粒子の均質な分布によっても決まる。最適な結果を達成するために、例えば高性能分散装置、例えばUltraturrax(商標)型の機器を使用して、接着剤中の着色粒子を強力な混合プロセスにかけることができ、これにより着色粒子がよりいっそう破砕され、感圧性接着剤マトリクス中で均質に分布される。]
[0146] こうして得られた接着剤は、第1の接着剤として、および第2の接着剤として、平面要素に前もって金属化層および黒色化層を設けた後で、平面要素上に塗布することができる。それぞれの塗布下地、つまり支持体、金属化層、または黒色化層上での接着剤の定着を向上させるために、接着剤を塗布する前に、塗布下地に前処理、例えばコロナ処理もしくはプラズマ処理、溶融物もしくは溶液から成る下塗剤(プライマ)の塗布、または化学エッチングを施すことができる。ただし、特に黒い塗料層の前処理には、コロナ処理の場合、塗料中に孔(ピンホール)が焼き付けられることを防止するために、コロナ出力をできるだけ低く選択することが有意義である。]
[0147] 塗布方法としては、一般的で適切なあらゆる塗布方法が考慮される。すなわち接着剤を、例えば溶液状態で塗布することができ、その際、接着剤中に残った溶剤は、熱供給によって、例えば乾燥路内で除去することができる。このような条件下では、同時に熱による後架橋を開始することもできる。]
[0148] さらに、接着剤を熱溶融系として形成することができ(いわゆるホットメルト)、したがって接着剤を溶融物の状態で塗布することが可能である。また、接着剤から溶剤を除去することが必要なこともあり、このために原理的には当業者に既知の全ての方法が使用される。好ましくは、例えば押出機内、例えば一軸または二軸スクリュー押出機内で濃縮を行うことができる。二軸スクリュー押出機は、同方向または逆方向に動作することができる。溶剤および/または場合によっては水を複数の真空段階によって留去することが好ましい。これに加え、溶剤の蒸留温度によっては逆加熱することもできる。残留溶剤の割合が1%未満、好ましくは0.5%未満、それどころか0.2%未満の接着剤を、平面要素に対して使用するのが好都合である。熱溶融可能な接着剤は、溶融物からさらに処理される。]
[0149] このような熱溶融可能な接着剤によるコーティングは、任意の適切な方法に従って実施することができる。例えば、このような接着剤をローラコーティング法によって塗布することができる。様々なローラコーティング方法が、Donatas Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand, New York 1989)(非特許文献1)にまとめて記載されている。すなわち、溶融ノズルを介して、または押出機によって接着剤を平面要素上に塗布することも可能である。押出コーティングは、特別に形成された押出ノズル、例えばTダイ、フィッシュテールダイ、またはコートハンガーダイを使用して実施することが好ましく、これらのダイはその流路の形状に基づいて区別される。適切なプロセス制御下では、コーティングの際に配向された接着層を得ることも可能である。]
[0150] 接着剤の塗布後に、例えば接着剤の粘度を所望の粘着性に対応して調整するために、接着剤に後架橋を施すことができる。このような後架橋は、感圧性接着剤を紫外光(UV架橋)および/または電子線(電子線架橋)に曝すことで開始することができる。]
[0151] UV架橋の場合、接着剤を、一般的に200nm〜400nmの波長領域の短波長紫外光による照射に曝す。このために、通常は出力80〜240W/cm2の高圧水銀灯または中圧水銀灯を使用する。それぞれ必要な波長は、使用するUV光開始剤に基づいて決まる。さらに、照射強度は、UV光開始剤のそれぞれの量子収率および調整すべき架橋度に適合される。接着剤の均一な架橋を可能にするには、UV光で接着剤を完全に、特に接着層の厚さ全体にわたって照らせることが重要である。この理由から、第1の接着剤の本発明による構成が、第1の接着剤を完全に白くするのではなく、半透明に白く形成するだけであることが有利である。]
[0152] 電子線架橋の場合、接着剤は電子線に曝される。このために、電子線加速器に基づく様々な照射装置、例えばリニアカソードシステム、スキャナシステム、またはセグメントカソードシステムを使用することができる。従来技術および最も重要な方法パラメータの詳細は、Skelhorne、「Electron Beam Processing」(非特許文献7)、「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings, Inks and Paints」、Vol. 1、1991、SITA、London(非特許文献8)に示されている。典型的な加速電圧は、約50kV〜500kV、好ましくは80kV〜300kVの範囲内にある。そのときどきの散乱線量は、5kGyから150kGyの間、特に20kGyから100kGyの間で移動する。さらに、電子線架橋とUV架橋の組合せを実施することも可能である。その代わりに、またはそれに加えて、高エネルギー放射による照射を可能にする別の方法を用いてもよい。]
[0153] 感圧性接着テープとしての貯蔵および取扱いを容易にするため、両面で貼り付け可能な平面要素の接着剤を、1つまたは2つの一時的な支持体、例えば剥離フィルムまたは剥離紙で覆うことができる。この支持体は、あらゆる任意の剥離系から形成することができ、例えばシリコーンもしくはフッ素で処理されたフィルムもしくは紙であってよく、例えばグラシンから成る、またはHDPEもしくはLDPEでコーティングされた紙であってもよく、この紙はさらに、例えばシリコーンまたはフッ素化ポリマーベースの、付着性を低下させた層(リリース層)を有することができる。]
[0154] さらなる利点および利用可能性は、添付の図面に基づき以下に詳しく説明する例示的実施形態から明らかである。]
図面の簡単な説明

[0155] 両面接着テープを備えた液晶表示システムの概略図である。
本発明による一実施形態に基づく平面要素の概略断面図である。
本発明によるさらなる実施形態に基づく平面要素の概略断面図である。]
実施例

[0156] 図2に示した平面要素は、支持フィルム12の上面に第1の接着層としての白い半透明の接着剤11を備えている。支持フィルム12の下面には金属化層としての金属層13が堆積されている。金属化層は片面が、黒色化層としての黒い塗料14で覆われている。この黒い塗料14に接して、第2の接着層としての透明な接着剤15が配置されている。] 図2
[0157] 図3に示した接着テープは、図2に示したものと同じ構造を有しているが、ここでは白い半透明の接着剤11と支持フィルム12の間に金属化層としてのさらなる金属層13'が配置されている点が異なる。支持フィルム12の下面には、図1に示した概略的構造の場合と同様に、金属層13が堆積されており、この金属層は片面が、黒い塗料14で覆われており、この黒い塗料に接して、ここでも透明な接着剤15が配置されている。] 図1 図2 図3
[0158] 以下に本発明を、具体例として選んだ幾つかの例に関してさらに明らかにするが、これらの例の選択によって不必要に制限する意図はない。]
[0159] 感圧性接着剤としては、同じベース接着剤を含み、単に白色顔料の混合についてのみ異なっている2つのアクリレートベースの接着剤を使用した。ベースとなる接着剤を製造するために、ラジカル重合では、通常の200L反応器を、アクリル酸2400g、2−エチルヘキシルアクリレート64kg、メチルアクリレート6.4kg、ならびにアセトンとイソプロパノールの混合物(比率95:5で調製)53.3kgで満たした。生じ得る水素および酸素残渣は、撹拌しながら45分間窒素を通すことにより反応混合物から除去した。続いて反応器を58℃の温度に加熱し、2,2'−アゾイソ酪酸ニトリル(AIBN)40gを添加した。]
[0160] 添加終了後に、75℃に加熱した加熱浴でフラスコを適温にし、フラスコ内で生じる温度で反応を実施した。1時間の反応時間の後、AIBN40gを新たに添加した。この反応混合物を、反応の開始から5時間後および反応の開始から10時間後にそれぞれアセトン・イソプロパノール混合物(95:5)15kgで希釈した。それぞれ反応開始から6時間後および反応開始から8時間後に、予めアセトン800g中に溶解させたジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート(Perkadox16(登録商標)、Akzo Nobel)100gを反応混合物に添加した。全体で24時間の反応期間の後、反応を中断し、反応混合物を室温まで冷却した。]
[0161] こうして得られた接着剤を、このペーストを支持体上に塗布する前に、イソプロパノールで固体含有率25%に希釈した。続いて強力に撹拌しながらアルミニウム(III)アセチルアセトナート(イソプロパノール中の3%溶液として)を接着剤の総質量に対して0.3重量%だけ添加した。]
[0162] こうして得られたベース接着剤を、さらなる変更または添加なしで、混合物1として、第2の接着剤用、または第1の接着剤の比較例のために使用した。第1の接着剤のためのさらなる混合物は、このベース接着剤に白色顔料を混入することによって得た。このために、ベース接着剤と様々な割合の二酸化チタン(主にルチル粒子;平均粒子サイズ:<5μm;純度:99.9+%)とから成る混合物を、強力撹拌機で1時間混合し、こうして得られた混合物を、高性能分散機(Ultraturrax)中で約30分かけて均質化した。ベース接着剤に、二酸化チタンをそれぞれポリアクリレートの質量に対して、混合物2については3重量%、混合物3については6重量%、混合物4については10重量%、および混合物5については25重量%添加した。こうして得られた第1の接着剤を、均質化の直後に、細孔幅50μmのフィルタでフィルタ処理し、続いて溶液状態でコーティングした。]
[0163] 架橋のために、第1の接着剤および第2の接着剤を溶液状態で、それぞれ、予めシリコーン処理した剥離紙(Loparexのポリエチレンコーティングされた剥離紙)上にコーティングし、乾燥チャンバ内で10分間、100℃で乾燥させた。]
[0164] 白く着色した支持体を製造するために、ポリエチレンテレフタレートコポリマーを二酸化チタン粒子(平均粒子サイズ:約0.25μm)20重量%と共に、混練機内で2時間、180℃で混合し、続いて真空中で乾燥させた。こうして得られたフィルム材料を、一軸スクリュー押出機において280℃の温度で幅広スリットノズル(T字形、スリット隙間300μm)によって押出成形した。こうして得られたフィルムを、鏡面を備えた冷却ローラ上に移し、続いて90℃〜95℃の適温に調節することにより長手方向に延伸した(延伸:約3.5倍)。長手方向の延伸の後、フィルムを緊張装置内に取り付け、そこでクランプによって固定し、100℃から110℃の間の温度で横方向に延伸した(延伸:約4倍)。最後に2倍に延伸したフィルムを10秒間210℃の温度で調質し、ロール芯に巻き付けた。フィルム層のブロッキングを阻止するために、個々のフィルム層の間に紙製不織布(13g/m2)を挿入した。こうして得られた白いPETフィルムは、38μmの全体厚を有している。]
[0165] 白いPETフィルムの代わりに、市場で入手可能なポリエステルフィルム(SKC Polyester Film SC51)を支持体として使用した。]
[0166] ここで、それぞれ使用する支持フィルムの片面または両面に、それぞれアルミニウム層が面全体にまんべんなく塗布されるまでアルミニウムを蒸着させた。アルミニウムによる300mm幅でのフィルムのコーティングは、スパッタリング法で行った。このために、コーティングすべきフィルムを高真空チャンバ内で保持具に固定し、チャンバを真空にした。ここで正にイオン化されたアルゴンガスを高真空チャンバ内に導くと、アルゴンイオンが負に帯電したアルミニウムプレートに当たり、その際、アルミニウムクラスタが分子レベルで剥がれ、このアルミニウムクラスタが、そのためにプレートの上方に案内されたポリエステルフィルム上に堆積した。こうして得られたアルミニウム層は、高い均質性と同時に、可視スペクトル領域の光に対する高い反射力を示した。]
[0167] 黒色化層用に、まず黒い着色塗料を調製した。この着色塗料は、主成分(大日本インキ化学工業のDaireducer(商標)V No.20)35部、硬化剤(大日本インキ化学工業のCVL No.10)4部、および着色顔料(大日本インキ化学工業のPanacea(商標)CVL−SPR805、塩化ビニル/酢酸ビニルをベースとする着色料)100部を含んでいた。]
[0168] こうして得られた着色塗料を、支持体の金属化された(この場合はアルミニウムを蒸着させた)面の一方に平面的に塗布し、48時間、45℃で乾燥させた。この場合に達成された接着剤の塗布量は約2g/m2であった。その際、平面要素の、黒い塗料でコーティングした側は、それぞれ面全体で均質に濃い黒の着色を示した。]
[0169] 例1のために、白いPET支持フィルムの両面をアルミニウムでコーティングし、両方のアルミニウム層の一方に黒い着色塗料を塗布した。両方のアルミニウム層のもう一方には第1の接着層として混合物2を、黒い着色塗料上には第2の接着層として混合物1を、ラミネート法で塗布した。接着剤の塗布量は、第1の接着層についても第2の接着層についても50g/m2であった。]
[0170] 例2のために、市販の支持フィルムSC51の片面をアルミニウムでコーティングし、アルミニウム層上に黒い着色塗料を塗布した。支持フィルムの、コーティングされていない側には第1の接着層として混合物3を、黒い着色塗料上には第2の接着層として混合物1を、ラミネート法で塗布した。接着剤の塗布量は、第1の接着層についても第2の接着層についても20g/m2であった。]
[0171] 例3のために、市販の支持フィルムSC51の両面をアルミニウムでコーティングし、両方のアルミニウム層の一方に黒い着色塗料を塗布した。両方のアルミニウム層のもう一方には第1の接着層として混合物4を、黒い着色塗料上には第2の接着層として混合物1を、ラミネート法で塗布した。接着剤の塗布量は、第1の接着層についても第2の接着層についても20g/m2であった。]
[0172] 比較例1のために、市販の支持フィルムSC51の両面をアルミニウムでコーティングし、両方のアルミニウム層の一方に黒い着色塗料を塗布した。両方のアルミニウム層のもう一方には第1の接着層として混合物1を、黒い着色塗料上にも同様に第2の接着層として混合物1を、ラミネート法で塗布した。接着剤の塗布量は、第1の接着層についても第2の接着層についても50g/m2であった。]
[0173] 比較例2のために、白いPET支持フィルムの片面をアルミニウムでコーティングし、アルミニウム層上に黒い着色塗料を塗布した。支持フィルムの、コーティングされていない側には第1の接着層として混合物5を、黒い着色塗料上には第2の接着層として混合物1を、ラミネート法で塗布した。接着剤の塗布量は、第1の接着層についても第2の接着層についても50g/m2であった。]
[0174] こうして得られた5つの異なる平面要素を、その光学的特性に関して調査した。]
[0175] 透過率を測定するために、UV/Vis/NIR吸収分光計(Biotek KontronのUvikon923)によって、190nm〜900nmの波長領域における透過スペクトルを測定した。比較値として、550nmでの絶対透過率を使用した(入射光の百分率で表示)。]
[0176] 光学的欠陥位置(孔またはピンホール)を決定するには強い光源が必要であった。このために、オーバーヘッドプロジェクタ(36V/400Wハロゲンランプを備えたLiesegangtrainer400KC Typ649)の光照射野を、光照射野の中心の直径5cmの丸い試料用開口部を除いて、完全に光を通さないようにマスクでカバーした。この開口部上に調査すべき試料を置き、周囲を暗くした中で光点として欠陥位置を検出しカウントした。その際、検出およびカウントは、視覚的または電子的に行うことができた。]
[0177] さらに試料の反射率を、DIN規格5063第3部に基づきウルブリヒト球(LMT型)を使用して決定した。調べた試料のそれぞれについて、反射度、つまり光の指向性部分と散乱性部分の合計としての測定された全体の反射率、ならびに光の散乱性および拡散性の部分を(それぞれ百分率表示として)別々に記録した。]
[0178] 試験の結果を下の表1に示す。]
[0179] ]
[0180] 実験は、調べた系のどれも光学的欠陥位置を有さなかったことを示している。さらに、全ての系が、可視領域における非常に低い透過率を有していた。これに対し、反射値に関しては異なる結果が出た。すなわち、平面要素の金属反射性の面だけを使用する場合には達成された全体の反射率が非常に高かったことが認められる。しかしながら、着色した接着剤を有さない比較例1では、散乱光の割合が非常に少なかった。したがってこの従来の系の場合、表示エリアが不均質に照らされる可能性がある。平面要素の白い面だけを使用する場合、確かに達成された全体の反射率は他の系の場合より少なかったが、そのかわり拡散散乱された割合は比較的大きかった(比較例2)。これに対し例1、例2、および例3は、本発明による平面要素によって80%超の高い全体の反射率を達成することができ、その際、散乱された割合も同様に比較的高かった(30から50%の間)ことを照明している。]
[0181] これに加え、補足実験によれば、散乱光の割合が30%未満の場合には、表示エリアの照明が粗悪な可能性があり、これにより点状の光の像(光スポット)の形の不均質性が引き起こされる可能性があり、それに対し、散乱光の割合が50%超の場合には、知覚し得る色ひずみが発生する可能性があることが示されている。このどちらの効果も、本発明による平面要素の使用によって回避することができる。]
权利要求:

請求項1
液晶表示システムを製造するための感圧接着性平面要素であって、平面要素の層が以下の順序、すなわち第1の接着層(11)、支持体(12)、金属化層(13)、黒色化層(14)、第2の接着層(15)の順序になっており、前記黒色化層(14)が、室温で感圧接着性でない黒い着色塗料および/またはプライマを備えた層である平面要素において、第1の接着層(11)がその厚さ全体にわたって白色顔料を少なくとも2重量%〜多くとも10重量%の範囲、好ましくは少なくとも4重量%〜多くとも8重量%の範囲の質量分率で有することを特徴とする平面要素。
請求項2
前記黒色化層(14)が、硬化されたポリマーマトリクス中にカーボンブラック粒子および/またはグラファイト粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の平面要素。
請求項3
前記カーボンブラック粒子および/またはグラファイト粒子が、ポリマーマトリクス中に20重量%超の質量分率で存在することを特徴とする請求項2に記載の平面要素。
請求項4
前記黒色化層(14)が、300nm〜800nmの波長領域において0.5%未満、好ましくは0.1%未満、特に好ましくは0.01%未満の透過率を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の平面要素。
請求項5
前記金属化層(13)と接触している前記支持体(12)の表面が、ブロッキング防止剤を4,000ppm未満、好ましくは500ppm未満の含有率で有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の平面要素。
請求項6
前記支持体(12)がPETフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の平面要素。
請求項7
前記金属化層(13)と接触している前記PETフィルムの表面が、最高400nmの隆起部を備えた構造化を有することを特徴とする請求項6に記載の平面要素。
請求項8
前記金属化層(13)が、メタリック塗料層および/またはアルミニウムもしくは銀から成る金属層を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の平面要素。
請求項9
液晶表示システムを製造および/または接着するための請求項1〜8のいずれか一つに記載の平面要素の使用であって、前記第2の接着剤(15)が液晶表示要素(1)の表面に接着される、平面要素の使用。
請求項10
液晶表示要素(1)と、保護要素と、フレーム要素とを備えた液晶表示システムであって、前記要素の少なくとも2つが、請求項1〜8のいずれか一つに記載の平面要素によって結合されている液晶表示システム。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-03-06| A300| Withdrawal of application because of no request for examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120306 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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